近年、高齢者同士の介護である「老老介護」が増加しています。この現象の背後には、いくつかの要因が影響していると考えられています。
一つ目の要因は、少子高齢化です。出生率の低下によって若年層の数が減少し、高齢者の割合が増加しました。その結果、高齢者同士が介護を担わざるを得ず、老老介護の割合が高まっています。
二つ目は、核家族化の影響です。昔は親子同居が多かったのですが、現在は親と子が別居するケースが増えています。その結果、高齢者同士がお互いに支え合うケースが増加しているのです。
三つ目は、平均寿命と健康寿命の差です。平均寿命は延びていますが、健康寿命が追いついていない現状があります。介護が必要な状況が長引くことで、老老介護のケースが増えていると考えられます。
四つ目は、他人に介護されることに対する抵抗感です。見知らぬ他人に介護を受けることに抵抗を感じ、施設入居や介護サービスの利用を拒むケースがあります。その結果、自宅での老老介護をせざるを得ないという状況になることもあります。
最後に、経済的余裕がないという問題も挙げられます。有料老人ホームや訪問介護など、民間の介護サービスを利用したくても経済的に難しい場合、在宅介護を選ばざるを得ません。
以上のように、老老介護の増加には複合的な要因が影響しています。これらの問題に対処するためには、社会全体で支援体制の充実や意識改革が必要とされています。高齢者同士が質の高い生活を送るためには、個人・家族・社会の協力が欠かせません。